「美優……。悪かったって………」


そんな風に殊勝な言葉を言いながら、隼人はあたしのおでこをチョンと指先でつつく。


本当に悪いと思ってるのか!?


そう思わずにはいられない隼人の行動。


いつもはこれで許しちゃうんだけど、前から思っていたことをまた思ってしまったあたしはもう今まで見たいにあやふやにはできなくなっちゃったんだ。


「………隼人…。やっぱり、お弁当はやめよう。きっと、彼女でもないあたしがこんなことをするのは変だよ。ただの幼なじみのあたしがこんな風にするのは、隼人のことを本気で好きな子に悪いと思う」


「…なに…、それ。告白されて、自分にとって邪魔だと思った? 俺の存在が………」


隼人の言葉に耳を疑う。


そんなつもりなんてさらさらなかったもん。


「はぁ? 何言ってるのよ。告白って二岡のことを言ってるなら、全然関係ないよ。ただ、今のままっていうのは………。あたしたちも、もう高校二年生になるんだしさ………。ただの幼なじみのあたしがずっと傍にいるっていうのは………」


言いながら、隼人の寂しそうな瞳にあたしは言葉が詰まってしまう。


どうして、そんな顔するのよ………。


すごく傷ついた顔。


まるであたしがとんでもないことを言っているみたいじゃない。