「お願い! 一生のお願い!」


目の前で両手をあわせてお願いする目の前の美少女。


学年でも美少女で有名な香取さん。




あたしは頭を頬をぽりぽりと掻きながら、困ってしまう。


う~ん…、どうしたものかな?


「そうは言われても、あたしから隼人に言ったら、隼人いつも機嫌が悪くなるんだ。だから、あたしから言うのは逆効果だと思うの」


「でも、きっと私から言うよりは、いいと思うの!」


目をきらきらさせてあたしを見てくる香取さん。


「いや……でもね、告白って自分で言うことに意味がある気がするし…。あたしから言うのはちょっと………」


やんわりと断っていると、急に香取さんはキッとあたしを睨んでくる。


「そう言って、もしかしてあなたも隼人くんのこと好きなんじゃないの!」


「なっ! そんなわけないじゃない!」


「じゃあ、別に私のこと助けてくれてもいいじゃない。こんなに頼んでるんだからさ………」


はじめこそ低姿勢だったけど、どう考えても今の香取さんの態度は頼んでいる姿勢じゃない。


「でも………」


言いよどんでいると、香取さんはニコッと笑ってあたしの前から走り去ってしまった。


「じゃあ、頼んだわよ~!」


と、手を振って。


「ちょっ! 話はまだ………」


香取さんの後ろ姿が見えなくなるとあたしはガックシと肩を落とした。