「か、香取さん!?」
ど、どうして香取さんが?
そりゃ、話の中心人物は香取さんだから、彼女を入れて話すほうがいいと思うけど、でもこのタイミングでこの登場ってタイミングよすぎない?
そう思っていたあたしの思いに答えるように麻衣は「実はさ…」なんて話し始めた。
「実はさ……。このままじゃダメだと思ってたわけよ。だから、香取さんを入れた三人で話すほうがいいだろうな…と思って香取さんを連れてきたら、この騒ぎなんだもん。びっくりしちゃった」
いや……、麻衣も驚いたかもしれないけど、あたしも充分に驚いたから。
「この際さ、ここで一気に話しちゃったほうがいいんじゃない? ギャラリー多いけど、みんなも誤解していることがたくさんあると思うから、ちょうど誤解を解くためにも、ね?」
いつもはそんな仕草絶対しないくせに、かわいらしく語尾に『ね?』なんて言う麻衣。
そりゃ、麻衣の言うことは納得できるけど、ギャラリー多いのはちょっと………。
「そうだな………。ありがとう、今村」
えっ!?
麻衣の案を受けちゃうの?
あたしはまさかの返事にバッと隼人を見てしまう。
「なに?」
『なに?』って………。
隼人は何か不満でもあるのかというような顔であたしを見てくる。
だって、だって、だって~~~!
普通に考えて、こんなところで話と言っても修羅場みたいなもので………。
普通なら、嫌がるでしょ。