「さてと………、話も終わったし、さっさと学校に行くか」


まるで何もなかったように隼人はあたしに回していた腕を離したかと思うと、ニコリと微笑みあたしの手を引いて歩き出した。


「あ…あの……、隼人いいの?」


「何が?」


隼人は全く動じていないのか、ケロッとした顔で聞いてくる。


そりゃ、本人が全然気にしていないならいいんだけど。


でも、やっぱり今のことで隼人の株って絶対に下がったと思うんだよね。


「あんな風にきつく言って、今までの学校での隼人とは違っていたというか………」


「ああ、そういうことか。別に、あいつらや全校生に好かれるためにやってたわけじゃねぇもん。こんな外面」


「へぇ!? そうなの? じゃあ、何のため? あたしはてっきり、学校での受けがいいようにだって思ってた。だって、隼人もずっと言ってなかったっけ?」


あたしの言葉に隼人は遠くを見るように目を細める。


「う~ん………。まあ、それはごまかすためというか、なんというか………」


「はい?」


なんだかはっきりしない言い方だな~…。


じ~っと隼人を見つめていると、隼人はいきなりため息を吐くとあたしのほうを見てきた。


じ~っと視線を送っていたのはあたしなんだけど、なんだか、急に見つめ返されるとどぎまぎしちゃう。