「君たちがそんなことを言ったんだよね？」


ニコリと笑いながら聞く隼人だけど、あたしは見た。


隼人の目は全然笑っていないことを。


だけど、単純な彼女たちは隼人の作り笑いを本気にして、いかにもホッとした表情を表した。


「す……すみません………」


素直に謝る彼女たちに隼人はもう１度、怖いほどの笑顔を向ける。


「すみませんって思うようなら、最初から言うな」


怖い～…。


だって、この言葉も満面の笑みを浮かべながら言っているんだもん。


彼女たちもこの顔から本当に今の言葉が出たのかわからないみたいでキョトンとした顔をしていた。


そんな彼女たちに追い討ちをかけるように隼人はもう１度、とびっきりの笑みを浮かべる。


「何を勘違いしているのかわからないが、自分たちの勝手な憶測で好き勝手なことを言うな！　もし、今度もそんなこと言っているなら、次はこんな風に注意だけじゃすまないぞ！」


この顔からは想像もできないほどのドスを利かした声で一蹴する隼人に彼女たちはもちろん、周りにいる全員があまりの圧倒さに固まっていた。