「はっきり言って。あいつとうまくいったんだろ？」
自分から言うまでもなく、二岡に言われ、あたしは目を見開く。
「二岡………知って……？」
「知らないよ。だけど、なんとなくそうかなって………。あいつが今誰と付き合っていようが、南条が佐倉のことを好きなのは知ってたし」
「二岡………ごめん………」
「謝るなって。俺も、ダメ元で告白したんだし、後から考えるとお前が弱ってる時にあんなこと言うなんてずるいよな………。だから、お前は何も気にする必要なんてない。俺はお前が南条のことを好きなのを知っていて告白したんだから」
今にも泣きそうになっているあたしの頭を軽く叩いて笑う二岡。
あたしは、どうしてもっと早く、二岡のことをちゃんと見なかったんだろ。
好きにはなれなくても、二岡がこんなにいい奴なんだって、どうしてもっと早く知らなかったんだろう。
「ありがとう………二岡………」
泣いちゃダメだとわかっているのに、二岡の優しさに涙が出てくる。
あたしってこんなに涙もろかったかな？
この前から、麻衣や二岡に優しくされて、結構泣いている気がするよ。
「でもさ………大丈夫なのか？」
溢れる涙を抑えるように目を擦っていると、急に心配そうに二岡が聞いてくる。
「なにが？」
