「あ………。おはようございます。隼人先輩!」


2人組みのかわいい下級生の女の子。


頬を染めながら隼人に笑顔を向ける女の子たち。


それを皮切りに隼人の姿に気がついた女の子たちが隼人に近寄ってくる。


「おはようございます」


「おはよう」


「隼人くん。今日のお昼一緒にどう?」


などなどいろいろな会話が飛び交い、隼人の周りにはいつの間にやら女の子の群れがなしていた。


もちろん、毎日のことなのであたしはさっさと避難。


女の群れに囲まれる隼人を置いて先に歩いていく。




ちらりと振り返ると、満面の笑みでみんなに王子様スマイルで対応している隼人の姿が目に入る。


完璧猫かぶりバージョンだ。


全く、毎日のことながらよくやるよ。


誰も隼人があんな男だとは知らないんだもんね。


時々、正体をばらしたくなるけど、完璧なまでの隼人の姿にどうせあたしが何かを言ったところで嘘だと思われるのがオチだから何も言えないんだけど。