「昨日………」


来た!


1番、今、触れられたくないこと。


あたしの体が正直にビクリと反応する。


固まるあたしは、ただ隼人のこの後に続く言葉を聞きたくないけど、待ってしまう。


だけど、隼人はその先に続くであろう言葉を言わない。


どうしてなんだろう?


不思議に思い、俯いていた顔をあげると、ばっちりと隼人と目が合ってしまった。


その途端、ニヤリと笑う隼人。


「俺、知らなかったな………。美優が俺のこと好きだったなんて」


隼人は何がおかしいのか笑いながら、言ってくる。


こいつ、本当に性格悪い。


そりゃ、隼人にしてみれば、今付き合っている香取さんという彼女がいる中で、あたしに告白なんてされて、笑うしかないのかもしれないけど、こっちはそんな冗談でしたんじゃないやいっ!


そりゃ、確かについ、口から出てしまった形になっちゃったけど、言った言葉はあたしの本当の気持ち。


なんだか、自分のその気持ちさえも馬鹿にされているみたいで嫌になる。


やっぱり、言うんじゃなかった………。


今さらながら、またも後悔があたしの中に広がる。


「別に…困らせるつもりなんてないから。隼人が香取さんと付き合ってるのはわかってるから。ただ、言わなくちゃ、あたしもこの気持ちに決着をつけることもできなかったから」


「え? ………美優?」