「もう伊緒はひとりぼっちじゃないって事だよ。」







ひとりぼっちじゃない?







「皆、お前のそばにいる。だからもう、孤独だと思うな。悲しい思いもしなくていい。」






「…で、でもっ」






今までずっと気づいて貰えなかった。






誰も気づこうともしてくれなかった。







それなのに、そんないきなり……






「今の俺の言葉を焦って受け入れようとはしなくてもいい。だけど、忘れずに覚えてはいて欲しい。あと、さっきの言葉だけじゃなくてもう一つ覚えておいて欲しい事があるんだ。」






「何ですか?」






「もし周りの奴らがお前の声に気づかなかったとしても、俺だけは必ずお前の声に気づいてやる。だから、もっと自分の気持ちに素直になれ。もっと頼っておいで。」







初めて言われる言葉が沢山私の元へとふってくる。






そして、その言葉一つ一つが私の胸へと響いてくる。





「ほんと、ですか……?」






素直にうれしかった。






私はひとりじゃない、皆がいる、先生がいる。






本当はそれが当たり前の事だったのかもしれない。






でも、私は今日初めてそのことに自信を持てた気がした。