「伊緒、携帯かして。親御さんと連絡とるから。」
え…先生何言って…そんなの絶対だめだよっ!!
私なんかの事で、2人に迷惑かけたくない。
とゆうか、かけちゃだめなんだよ。
「…でもこのままじゃお前が苦しいだけだろ?」
そんなのどーでもいーよ。
こんな風邪、家で寝てれば治る。
「先生…お願いです。家まで送ってもらえませんか?家にさえ着ければ大丈夫なんで…。」
「は?」
私の発言に、さっきまでの表情が嘘かのように先生の顔が一気に曇る。
初めて見る顔に、正直戸惑いがかくせない。
「お前寝てれば治るとか思ってんの?…ばかかっ!!」
ビクッ
部活でもあまり怒らない先生が、私に対して急に声をあげて怒った。
その衝撃はあまりにも強くて、怖くて。
今すぐにでも先生の言う通りにしたい。
でも…それでも、そんな事いわれても…。
「ごめ…なさ…い……っ」
無理なものは無理なんだよ、先生。
私の目からは、いつのまにか涙がこぼれていた。