今日は運よく3年の進路指導で俺の仕事は午後からは何もない。
部活も丁度休みだし、俺が病院に連れていっても支障はないであろう。
「伊緒、起きれるか?病院いくぞ。」
意識が朦朧としている伊緒の肩を、そっとゆすってみる。
だが、風邪のせいもあってか起きる気配が感じられない。
ん…?あれ、でも待てよ?
今日って水曜日じゃねーか?
うわ困ったな、水曜日は大抵午後診やってねーよな。
おいおいどーすんだ。
「う―――ん…。」
とりあえず、教官室にずっといても良くはならないし…ここは親御さんと連絡をとって迎えにきてもらうか。
「伊緒。」
もう一度、軽く身体に触れてみる。
「ん…………」
すると、今度はゆっくりと目が開いた。