もう知ったこっちゃない。







大人を煽ったお前が悪い。







「伊緒……。」






少しずつ、顔を近づける。







きっとコイツは、今日自分が何を話したかも、ここで何が起こったかも、何一つとして覚えていないだろう。







でも、それでもいい。








いや、そっちの方がいい。






グイッ







「目、閉じとけ。」







「へ?……せん…んっ」







いけない事だとは解っていても、身体が勝手に動いていく。







自分の手でしっかりと顔を固定し、ゆっくりと伊緒の唇に自分のを重ねた。







「………。」








「………。」