先生、ありがとう。
私を好きになってくれて、私と恋をしてくれて。
長いキスをしていると、私の頬に暖かい涙がつたっていった。
この頬に伝わるのは、きっと嬉し涙。
周りの皆への感謝の気持ちや、先生への愛が詰まった涙……。
キスを終えると、私の涙に気づいた先生は優しく自分の手で涙を拭い上げていく。
そして、目があい、また鼻がぶつかる位に近づくと、お互い少しだけ微笑んだ。
「伊緒。」
「先生。」
「……お前、卒業までには名前呼べるようにしとけよ。」
「……善処します。」
「はははっ、何だその返しは。」
先生と一緒に居られるこの空間が好きだよ。
誰にも邪魔をされない、二人だけの秘密な時間。
「先生、ずっとずっと大好きです。」
「…なに、誘ってんの?」
「ふふっ、そうかもしれません。」
「…この、バカ伊緒。」
そう言いながら、コーヒーの香りが漂うこの教官室で、大好きな先生と抱きしめあいながらキスをした―――……。
『END』