驚きと共に嬉しいという気持ちが身体中を支配し、気が付けば先生に思いっきり抱き付いている自分がいた。
そうでなくても密着度が高かった姿勢が、更に近いものへと変わる。
背中に回した手で力いっぱい先生の服を掴むと、ハッキリと先生の鼓動が聞こえてきた。
｢先生、私もう何も要らないです…。｣
｢え？｣
｢…私、先生が隣に居てくれるだけで幸せなんです。だから、先生が居てくれれば何も要らないって、ずっとそう思ってて…そんな時に今の言葉をもらえたら、もう何も要らないって思っちゃいますよ。｣
｢伊緒…。｣
「私なんかでよければ、ずっとずっと先生の傍にいさせて下さい。」
言いたいことを一通り言い終えると、あまりの恥ずかしさに先生の顔が見られず少しだけ横に顔を向けた。
すると、そんな私の行動に気が付いたのか、先生は私から身体をゆっくりと離した。
