「伊緒は…俺の事好き?」
「え…や、えぇっと、は…はい。」
先生からの突然の質問に戸惑いながら答えると、先生は不服そうな顔をした。
そして、恥ずかしがる私の手を引っ張り、寝ていたはずの私の身体を起き上がらせるように抱きしめた。
「そんな言葉じゃ足りない。」
た、足りないって…何が足りないって言うんですか。
私は先生の質問にきちんと『はい』と言いましたよ。
「伊緒の言葉で聞きたい。」
「私の…言葉ですか…?」
…ん?んんん?もしや、これは詩衣が言っていた素直の大切さを試す時なのでは…?
先生から求められている今!!
この今こそが、素直に自分の気持ちを伝える瞬間なのではないだろうかっっ…!!!
「せ、先生…!!」
「ん?」
「…す、好きです、大好きです。今までに感じた事がないくらいに、先生が好きです。」
「………。」
「ちょっと逢えないだけで寂しくなるし、抱きしめられたりキスされると無駄にドキドキして…でも、そんなこと全部が本当は嬉しくて…。」
「あーもう無理、我慢できねぇわ。」
「えっきゃっ!!!」
起きあがっていたはずのお互いの身体が、再びソファーに投げ倒される。