「俺、伊緒の良い所だけじゃなくて、そういう直さなきゃいけない部分も全部ひっくるめて、伊緒のことが好きなんだな…って改めて知れたんだ。」
「……えっ。」
ドクンッ、と鼓動が打つのが解る。
耳元で囁かれた言葉はあまりにも衝撃的で、威力が強くて、本音を言えば穴があるなら入ってしまいたいくらいに恥ずかしい。
「甘え下手で、素直じゃなくて…。でも、それは全部相手への優しさや気づかいの裏返しで…。」
真っ赤な私に追い打ちをかけるように、先生は再び話し始める。
「誰よりも相手のことを考えて、自分なんていつも二の次で。それで、苦しくなったら一人で我慢して泣いてるんだよな。」
「せ…んせ…。」
ドキドキとなり続ける心臓の音が、すこしずつ大きく速くなっていく。
どうしよう、耳元で囁かれる先生の声が何ともいえないぐらいに色っぽい…。
「後は、抱きしめたりキスすると上目遣いになって何も言えなくなるところとかも可愛いよなぁ…。」
「え?」
「あと、キスが激しい時なんかは顔が赤くなって無駄にエロくなっていくとことか……」
「うぎゃぁぁぁぁっ!!!意味わかんない意味わかんないっっ!!何で今まで真面目な雰囲気で話していたのに、いきなりそうなるんですか!!そんな恥ずかしい事いわなくていいですっ!!」
いつもは聞けないような真剣な事言ってくれてると思ったのに…!!
こんないきなりいじわるな先生になるなんて卑怯すぎるでしょっ!!
「ははははっ、ごめんごめん。冗談だよ。」
「うー……先生はいじわるです…。」
先生の服を涙目になりながら引っ張ると、先生の顔から笑みが消え、今度は甘い顔で私を覗き込んだ。
「いじわるな俺は嫌い?」
「へっ!!?」