私の動きを阻止したまま、先生は私のおでこに自分のをひっつける。
鼻と鼻がぶつかって、なんだかくすぐったい。
こんなに近くで先生の顔を見るのは、もしかしたら初めてかもしれないな…。
今、先生に『素直じゃなくてごめんなさい。』と言ったらどうなるのだろう。
笑って、許してくれるのかな…。
「…伊緒、ごめん。」
「へっ?」
自分から先生に謝ろうと考えている時に、突如先生から謝られた。
「朝、素直じゃない何て言って悪かった。」
そのことに驚き何も言い返せずにいると、先生は眉を少し下げて微笑みながら私にもう一度謝った。
「な、んで…何で先生が謝るんですか?私が素直じゃないのは本当の事で、悪いのは私なのに…なのに、何でですか…?」
解らないよ、先生。
今先生は何を考えているの?
「…なんでか知りたい?」
「も、もちろん。」
少し控えめに私がそう答えると、先生の表情が少しだけ真剣なものへと変わった。
「先生?」