「先生、近いです。」





恥ずかしい気持ちを隠しながら、先生に向かってSOSを出す。






「当たり前だろ、今からキスするんだから。」





しかし、そんな私の頑張りは報われることなく、先生の顔は少しも動かない。






「えっ、キスって……。」





甘い声で囁いた先生は、もう一度私の頭を固定する。






そして、微笑みながら私を見つめた。






「伊緒、言ってみ?キスしてって。」






「は!!?」





なに言って…!!






「それとも、素直じゃない伊緒は何も言えない?」






「なっ……!!!」






固定されていた頭を一生懸命振り払おうとするが、先生はそれを許してくれない。






なんなら、さっきよりもっと強い力で固定されているようだった。