「伊緒、集合するよ。」
「あ、はい今行きます。」
1人で自主連をしていると、遠くから先輩に呼ばれた。
返事をしてから直ぐに皆の所に向かうと、円の中心にはさっき喧嘩したばかりの先生が立っていた。
う……さすがに、さっきの今じゃきまずい。
目を合わせることが怖くて、先生の方をみることができない。
「よし、全員揃ったな。じゃぁ今日の練習メニューを言うぞ。」
たじろいでいる私とは違い、先生はいつもと何も変わらない。
堂々としてて、頼りになる顧問の姿は少しも崩れていなかった。
…崩れられても困るけど、ここまで普通の姿を見ていると何だか自分がバカらしく感じる。
「……以上だ。じゃあ練習始めるぞ。」
「「「はい!!」」」
元気よく返事をする他の部員とは違い、顔すらあげようとしない私を、先生はどう思っているのだろう。
また素直じゃないって思われているのかな。
呆れられているのかな。
先生との初めての喧嘩だからかな、不安ばかりが襲ってくる。
正直、もうどうしていいのか解らない…。