言い争いになりかけていると、教官室から戻ってきた詩衣が私と先生を冷たい目で見ていた。
「本当に、2人は仲がいいんだか悪いんだか。」
言い争ってる所を見られたと思うと、段々恥ずかしくなってくる。
あんな小学生みたいな喧嘩…。
いつもならこんなことしないのに…。
「別に先生と仲良くした覚えなんてない。詩衣、部室行こう。」
「え、あ、うん。甲田先生、失礼します。」
見られてたという恥ずかしさと、今はこれ以上先生の顔をみたくないという気持ちから、足早にその場を離れた。
その場を離れる際に少しだけ後ろを見ると、そこには不機嫌な顔をした先生がいた。
あれは、相当怒っている時の顔であろう。
「ねぇ伊緒さん、何で甲田先生怒ってるの?あの短時間でどうやって怒らせたわけ?」
「別に怒らせたわけじゃ…ただ、先生の言葉に言い返しただけ。」
そう、私は言い返しただけ。
少しキレぎみの口調だったけども…。
「何を言い返したのよ。先生に何かいわれたの?」
「……私が、素直じゃないって。」