人並み外れた高い身長と、大人のオーラ。






格好いい雰囲気を全身からだしながら歩いてくる人物は、間違いなく甲田先生である。






「おはようございます、甲田先生。」







私の変化にも気づかず、詩衣は笑顔で先生に挨拶をした。






「おー、おはよう。今日もお前らが一番早いな。」





「なんか、自然と私達が鍵当番みたいになってるんですよ。」






「そうなのか?それは気の毒だな。」






「いえ、どうせ早く来るんで。」






笑っているんだかいないんだか解らない表情で詩衣と会話をする先生。






昨日は人のリアクション見てあんなに笑ってたのに…。






今は詩衣がいるからかな?






先生、皆の前では私といる時より笑わないよね。






私より皆といる方が面白いはずなのにね…変なの。






「片瀬、どうかしたか?顔ニヤケてるぞ。」






「え、そんなことはないと思うんですけど…。」






自惚れかもしれないけど、先生って私と居る時はすごく笑うよね。







それって、私と同じようにキュンキュンしたり幸せだなって感じてくれてて、それでもって楽しいと思ってくれてるって事なのかな?







「ふふ、そうだといいな…。」






「「え?」」





「………え?」





え、あれ…私、今の声に出てた……?






私がボソッと言った一言に、2人はとても不思議そうな顔をしていた。