「ごめん、伊緒。」
「……へ?」
「もう何もしないから、俺の事みて?」
「…………。」
私の頭を撫でながら謝る先生は、それから脱がした服を元通りに戻してくれた。
その行動を信じてゆっくり先生の方を見てみる。
「伊緒。」
すると、先生はさっきと変わらずまだ熱い眼差しをしていた。
「せんせ…?」
「今日はひっついてるだけで我慢する。」
「え?」
ガバッ
「うわわっ!!?」
覆いかぶさるようにしていた先生が、そのまま上から私に抱きついてくる。
まるで枕のように抱きしめられた私は、先生にホールドされてしまった。
「きゅ、きゅるしぃー…。」
「はははっ、知ってる。」
「うぅ…離して下さいよー。」
「いやだ。今は少しも離れたくない。」
う…この人は、なんでこうも恥ずかしいセリフをスラスラと言えるのかな。
「先生のばか。」
「あ?なんでだよ。」
「何となくですよーだ。」
「ほー、そんな事言うのかぁ。そんな奴にはお仕置きだからな!!」
「えっ!?ちょ、まっ!!」
そう言った後にニヤッと笑った先生の顔を見て、私が深く後悔したのは言うまでもない。