「ごめんなさい、ごめんなさいっ…。」





お願い、私から離れていかないで。





こんな事で先生を失いたくない。





「お願い、です…。どこにも行かないで下さいっ…先生が近くにいないなん、て、嫌です…」





止まったまま動かない先生に力いっぱい抱きつき、抑えきれない涙を流しながら話し続けた。





「先生と釣り合えるように頑張ります。もう我が儘も言いません。だから、だから……」





どうして何も言ってくれないの?




反応もしてくれないの?





先生はもう、私と一緒にいたくないの?





離れたいって、そう思っているの?






あ、もしかして…。





「こんな事するのも、我が儘…なんですかね。」





自分の思いを先生に押し付けてて、迷惑だったのかな。






「すいません…。」






しがみついていた手をゆっくりと離し、そのまま力なく下ろした。