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「あ――うめぇ。」





「本当ですね。」






伊緒が走って教官室を出た後、担当授業がなかった俺達は教官室でアイスを食べてダラダラしていた。






それにしても、俺とした事が授業の時間を忘れるなんて…。






伊緒と両想いになれた事で完全に浮かれていたな。






「甲田先生…良かったですね。」






「え?」






進藤先生がアイスを食べる手を止め、俺を見つめる。






いきなり良かったなんて言うから驚いてしまい、思わず俺もアイスを食べる手を止めた。







「あの雰囲気だと片瀬さんと上手くいったんだと思いまして。」







「ん?あ、あぁ…その良かったか…。」







微妙な距離だった伊緒と俺。






でも今は、お互いが素直に気持ちを伝えた事で誰よりも近い存在になれた。







「後はバレないように過ごすだけですね。」






チョコアイスを頬張りながら話す進藤先生。






態度には見せないけど、きっと俺達のこと心配してくれていたんだろう。







「絶対にバレないようにする。バレたら一緒に居られなくなるしな…。」






「それもですが、教師人生も危ないですよ。」






「うわっ、そっか、そうだよな。それも困るなぁ。」






教師としてのやりがいを知ってしまった今、他の職業でうまくやれるはずがない。







それに、きっと伊緒は教師としての俺を好きになってくれたから…。






だから、俺から教師という職業をとってしまったら何も残らないだろう。