「!!!!!!」
私からのキスに、先生は当たり前のように驚いている。
そりゃそうだよね、いつもはこんな事しないし…。
「…今回だけですから。」
顔が熱い。
身体が熱い。
こんな恥ずかしい思いは今までした事がない。
「……なんだこれ。俺、今すげー幸せなんだけど……。」
そう言って、耳まで赤くしながらはにかむ先生。
その姿が可愛くて、愛おしくて…でも、今は嬉しいよりも恥ずかしい気持ちが私を襲う。
私、恋愛をなめてたかもしれない。
経験のない私は、今まで付き合うって簡単な事だと思ってた。
当たり前のように手をつないで、キスをして…。
それが当たり前の事で緊張なんかしないんだって…。
それで、お互い嫌になれば別れればいいんだー…って。
でも、本当は全然違う。
当たり前なんてどこにもなくて、一つ一つの事にいちいちドキドキしまくって…。
好きな人が近くにいるだけで緊張がなくなる事なんてないんだ。