「伊緒、好き。」
「!!!!!」
「今まで感じた事がないくらい好き。」
「!!!!!!」
「寂しがりやで、泣き虫で、どんな伊緒も全部好きだよ。」
「―――――っっっ!!!!!」
あ―――っっもう駄目だ!!
沢山の先生からの気持ちが、私の頭をドキドキとさせて混乱を招いている。
本当に先生には敵わない。
今だって先生が私に素直に気持ちをぶつけているようにみせかけて、本当は私に素直にならせようとしている。
それが解っているのに、私は先生の考えには敵わないのだ。
「先生…離して下さい。」
私が小さな声でそう言うと、先生は少し驚いた様子で、ゆっくりと離してくれた。
「あの…そ、のー。」
「ん?どしたんだ?」
うう…覗き込んでくる先生が可愛い。
もしかして、それも先生の計算のうちですか。
「伊緒?」
「―――――っっ。」
先生が好きで、大好きで、愛しくて…。
誰よりも近い存在でいたいって、本当は色々と思っているんだよ…?
チュッ
そう思っていることは何も言わず、私はただ先生の唇に自分のものを触れさせた。
とても軽い、優しいキスを……。