「じゃぁ、そろそろ帰るか?」
「え…あ、はい……。」
先生の言葉に、実は『もう離れちゃうの?』って思ってしまった。
でも、そうだよね。
ここは学校だし、それに明日もテストがある。
本当なら、先生にだってテストが終わるまで逢うはずじゃなかったんだもん。
恵那にあんな事まで言ったのに…なんか情けないな…。
離れたくない気持ちと離れなきゃという気持ちが混ざる。
ゆっくり、でも確実に先生から身体を離していく。
ギュゥッ……
「え?」
すると、肩を引き寄せられさっきよりも強く抱きしめられた。
え、帰るんじゃ…。
「いやー、離れたくないって思ってる気がして。」
ドキッ
「う…あ、えっと。」
「はは、図星だな?」
「――っっな、なんなんですか!!私の気持ち全部当てて!!先生ってエスパーか何かですか!!?」
いつもいつも私の心解っちゃうなんて。
もう凄すぎるとしか言えないよ先生…。