「伊緒、大丈夫だよ。」
「……はい。」
「ご両親は、お前を嫌ってなんかいないよ。」
「…………。」
「今はそう思えないだろうけど、それは間違いない。だから、お母さんときちんと話してみな?」
「…………はい。」
「それと、自分は誰にも望まれていないってのは違うぞ。」
「え?」
「お前は、友達や部活のチームメイト、周りの沢山の人に望まれている。望んでいない人の近くに人は集まらない。だから、もっと自信もっていいんだよ。」
「…せんせ。」
「それに、俺がお前を望んでないとでも思っているのか?」
「っっ!!!!!」
耳元で優しく、ドキドキする言葉をかけてくれる先生。
そんな先生に反論する事なんて出来ない。
それに、先生の言葉には説得力があるんだ…。
「お、泣きやんだか?」
「…先生のお陰ですね。」
「…お、おぅ、そうか?」
あ、先生照れてる。
大胆な事する割には、先生って意外と恥ずかしがりだよね。