「何笑ってるのよ。気持ち悪いわね。」
「一度も親らしい事してもないのに、私のお母さんだなんて言わないで。」
「はぁ!!?」
「いつもいつも仕事ばかりで、私の事なんて考えてくれないじゃない。」
感情が高ぶるお母さんに対して、少し低い声で冷静に話す。
自分でも驚くぐらい冷静な態度。
きっと、今までにした事がないくらい無表情だろう。
「小さい頃から広い家に一人ぼっちで、私がどれだけ寂しかったと思ってるの?」
「それは……。」
「それに、この間だって…私が風邪引いて寝込んでた事にだって気が付かなかったよね。」
「え……。」
「…そんなあなたが、私に文句言わないで。それに、たまに仕事で嫌な事があったからって私にあたらないでよ。」
私の言葉に、お母さんの顔が引きつっているのが解る。
そして、私が『仕事』というと、それは更に引きつったように見えた。
「あんたに…あんたに私の仕事のなにが解るっていうのよ……。」
私の言葉に言い返す事は、それなの?
『ちゃんと見てたよ』とか、『気が付かなくてごめんね』とか…そういう事じゃないの?
それを求めていた私は…バカだった?
「…あんたの仕事なんて、解りたくもない。」
「…………は?」
「子供ほったらかしにする仕事なんて解りたくもないって言ってるのっっ!!」
バチンッ!!!
…………………え?