「知ってるよ。」
「…え?」
涙を流す私に、恵那は笑いかける。
「伊緒がこの前話してた人って他校の生徒なんかじゃなくて、甲田先生でしょ?」
「!!!!」
「それで、今苦しんでる理由も甲田先生にある。…そうでしょ?」
「…な…んで。」
「ふふふっ、伊緒は思ってる事がすぐ顔に出るって言ったでしょ?」
確かにさっきそうは言われたけど…でも、でも……。
「…いつから、解ってたの?」
「んー?伊緒が隅っこで泣いてるのを見た時位かなぁ。」
え、大分前からご存知だったんですね。
「それ見ただけで解ったの?」
恵那の洞察力と推理力には少し尊敬しちゃいますよ。