頼むから、誰か俺の気持ちを否定してくれ。







それは恋愛感情じゃないって。






ただの生徒に対する教師の気持ちだって。







そうしたら開けかけているこの気持ちの蓋を、もう一度閉める事ができる気がする。







「せんせ―――っ!!!一緒にサッカーやりませんか――っっ」







教官室に向かうまでの道のりの途中で、グラウンドでサッカーの授業をしている男子生徒に声をかけられた。







「チームで1人足りないんすよ。先生一緒やろうよっ!!」








そいつと同じチームであろう何人かの生徒が俺に手を振ってくる。







別に、休憩のチームから1人借りればいいのにな。






わざわざ俺に声をかけてくるとか可愛すぎだろ。






「おーいっこーだせんせ―――っ!?」






「担当の先生がOK出したら入ってもいいぞーっ」






「やったっ!!しんどーせんせーっっ」







俺の言葉を聞いた瞬間、急いで担当の先生の所へと走っていく生徒達。







その姿がまたまた可愛く思える。






「先生!!OKだってっ早く早く!!」






「よーしっ、俺を誘った事を後悔させてやるよ。」






モヤモヤと抱え込んでいた気持ちをどこかの片隅に無理矢理押し込み、生徒へと気持ちを向ける。






サッカーして、走って、生徒達と笑っていたら忘れられるだろう。






忘れる事が正しいとは思えないけど、今の俺の立場では片瀬に何もする事はできない。







忘れるのが一番だ。












……でも、あー……あいつ彼氏とかいんのかな。