「先生?」
「机の上にある奴……。」
先生に身体を掴まれている為、顔だけ動かし机の方を見ると、携帯であろうと思われる物が見えた。
「見てきていいですか?」
全く動かない先生に声をかけてみる。
「……ん、どうぞ。」
すると、それだけ言って、そっと手の力を緩めてくれた。
先生どうしたんだろう。
さっきから様子が変だ。
あまり喋らないし、何より私の目をみてくれない。
うーん、私何か変な事言ったかなぁ?
「あ……。」
机の上の携帯を見ると、それは白色のシンプルなものだった。
大きさもそこまで大きくなく手の中に納まるし、確かこの機種は性能が良いって評判なもの。
これなら、私が持っていても不思議じゃないよね。
携帯カバーを変えればお揃いっていうのも解りにくいし。
「先生、これなら…キャッ!!」
先生に話しかけようと振り向いた瞬間、ものすごい力で身体が引っ張られた。
先生、いつのまに後ろにいたの?
さっきまでベッドにいたはずじゃ……。
「ちょっ…と、先生!!いきなり何するんですかっ!!…くるしぃ…って、………え?」
無理矢理先生の腕を払い顔をあげると、そこには今まで見たことのない光景が目に入った。
予想外すぎる光景に、驚きが隠せない………。