「片瀬、聞きたい事と話したい事がある。俺の質問にきちんと答えろ。」





先生は私をベッドに寝かせてから、そっとベッドの端に腰かける。





接し方はとても優しいのに、話し方は少し怒っているように感じる。






「…何ですか?」






「まずは聞きたい事から。」





「…はい。」






感じた事のない空気に、少しだけ息をのむ。






「お前は、いつからまともに食事をしていない?」






「え………なん、で……。」





内容を聞いて驚き。





何で食べていない事を知っているの?





「さっき、倒れたお前を連れて病院に行った。お前はそこで血液検査と点滴の治療を受けたんだよ。で、そこで医者から検査の結果とか色々な事を聞いて解ったのが、今回倒れた原因が睡眠不足と栄養の摂取が出来ていない事による貧血だってこと。」






先生、病院連れて行ってくれたんだ。






そういえば、左腕についているこのガーゼは、点滴によるものだったんだんね。





帰り道で先生に会った記憶は、やっぱり勘違いじゃなかった。






私、また先生の前で倒れたんだね。






弱い所は見せないって決めたのに、全然上手くいかないな…。






「………片瀬、ごめん。」