何だろうな、この人から感じるこの安心感。
近くにいるってだけでこんなにも安心できちゃう。
「お前…傘は?」
傘は?って…何言ってるの?
「ふふ、先生もさしてないですよ…?」
そう言って少しだけ笑みがこぼれる。
だって、手に傘を持っているのにさしてないなんて、おかしいでしょ?
「別に俺はいいんだよ。ほら、とりあえずこれ持て。」
持っていた傘を開き、先生はそれを私に握らせる。
そして、鞄の中に入っていたタオルを私の肩へとかけた。
「せんせ、…あの、これじゃ先生が濡れます。」
「いいんだよ俺は。ほら行くぞ。家まで送るから。」
「え?何でですか?」
「何でもいいんだよ。」
そう言って傘を持つ手とは逆の手を握る先生。
まるで、私子供みたい……。
「子供扱いですね…。」
「ははっ、あんだけ雷にビビってたら充分子供だろ?」
「なっ!!」
何で知ってんの!?
「部活中、お前だけ身体ビクビクしてたぞ。」
そう言って先生は私にニヤっと笑った。