「それでね、それから……」





でも、喋っても携帯の向こうから応答は無いわけで…。





「何やってんだ私…」






壊れた携帯を閉じ周りを見ると、道には誰の姿もなかった。






薄暗くて、雨が沢山降っていて。






少し先は雨のせいで見えない。






「まるで、私の心みたい……」






天気のせいかな。





いつも以上に孤独感が増している気がする。






寂しくて、悲しくて。






何だかもう何もかもどうでもい……






「片瀬!!」






え?





後ろから声が……。






きっと今、一番聞きたい人の声。






その声に後ろへと振り向くと、あの時みたいに息をきらしている人の姿が目に入る。







「こうだ、せんせ………?」