「うぅっ、っく……」
まるで、子供のように泣いてる自分に驚く。
そして、自分の状況を理解しながらも、それを止める事のできない自分にも驚いていた。
頭から離れる事のない女の人の声と言葉。
あれは、秋山先生だ。
間違えるはずない、あれは絶対に秋山先生の声だった。
だって、さっきまで数学教えて貰ってたんだよ?
そんな身近な人が先生にとって大切な存在かもしれないなんて……。
「も、訳わかんな………」
グイッ
「!!!!!!??」
泣いている私の左肩を、誰かがいきなり引っ張った。
「だれ………んんっ!!」
顔が何かに衝突し、包まれる感触。
頭には大きな何かが乗り、そして撫でられる感触が伝わってくる。
あぁ、知ってる……この手。