もしかして…!!!






ガチャッ






「伊…」 







……って、な訳ねーか。







「失礼します。甲田先生…少し宜しいですか?」






上機嫌だった俺の顔が、一気に曇る。








「何の用ですか?秋山先生。」







そこには、俺が唯一苦手とする教師が立っていた。







いや、違うか。







苦手というよりかは危険の方が合っているかもしれない。







「あ、その、お話があって…。」







「秋山先生、飯食いたいんで手短にお願いできますか?」








俺の不機嫌さが伝わんねーのか?







っておい、何ドア閉めてんの?







ガチャンッ






…は?







「あの、何で鍵閉めるんですか?」








「今は誰にも邪魔されたくないんです。…甲田先生、解ってますよね?私の話したい内容くらい…」






はぁ?






解るわけないだろ?







そう思っている俺の身体に、急に寒気とキツい香水の匂いがした。







「…抱きつかないで下さい。」







全く動揺しない俺をみて、彼女は抱きしめる手にもっと力をこめる。







「離して下さい。」






「甲田先生。」






こいつ耳ついてんのか?






「私と結婚して下さい。」






…今なんつった?






「あの、秋山先生。俺は…「片瀬さん!!」」







え…片瀬?







俺の言葉を遮った進藤先生の声。







その声で、確かに伊緒の事呼んだよな?