声のした方を向くと、見慣れた顔が近くにあった。
「な、なんだ…恵那か。びっくりしたぁ。」
「なになに?何かお悩み?もしや恋とか?」
「ばーか、ちがいますー。」
これは恋なんて可愛いもんじゃない。
だって好きもなにも言われてないし、言ってない。
付き合ってもいないし、告白すらしていないのにキスだけしちゃって…。
はー……これはまさに昼ドラ並のドロドロ展開と同じだよ。
「なぁんだ。伊緒に春がきたと思ったのに。」
「ちょっと、そんな簡単に春がきたら苦労しませんよっ」
どっちかっつーと、今私には冬がきとるっつーの!!