――――――………
ジリリリリリリリッ……
「ん、んぁ?………あれ」
セットした覚えのない目覚ましの音が耳に響く。
あれ、俺はいつの間に寝てたんだ?
てか、今何時……「うわ、11時かよ。」
確か今日は午後から部活があったはず。
あいつは休ませるけど、俺は行かなきゃまずい。
今から用意して、伊緒を送って…うーん、これは間に合わないかもしれんな。
とりあえず、伊緒を起こすか。
「おい、い……お?」
布団へと伸ばした手が行き場を失う。
あれ、そこにいるはずの奴が居ない。
確かにここに眠っていたはずなのに。
トイレか?
「伊緒ー、どこにいる?」
何度も名前を呼んでも返事がない。
トイレにも、風呂にも、どこにも居ない。
更に、干してあった制服までもなくなっている。
「……え?」
台所を通り過ぎようとすると、何かに目が奪われ自然と足が止まった。
「なんだこれ…。」
食卓に普段並ぶ事のないような料理が沢山並んでいる。
「すげぇ………。」
そして、その料理の横には、伊緒の字で書かれた手紙が置かれていた。