「うわっっ!!」






あまりにも突然私が抱き付いた事で、先生がその勢いに負け、そのまま二人とも床へと倒れていった。






「いってー…って、えぇ!!?」







先生が驚くのも無理がない。






きっと私が同じ立場でも驚くであろう状態だ。







まさか自分の家で生徒に抱き付かれるなんて、普通はありえないよね。








「おいっ!!伊緒っ離れろって!!」






「…………。」







あれ、おかしいな。






さっきまでクリアだったはずの視界が、少しだけ歪んでいる。






どこか身体の熱も上がっているような……。







「おいっ伊緒!!?」






あー……なんか先生言ってるような………。






けど、何だか頭もぼーっとしてきて何言ってるか聞き取れないな。






「ね、せんせ…。」






「あ?って、まず俺の話きけ!!離せって!!色々やばいんだよっ」






必死に何かを訴える先生をよそに、私はさっきよりも抱きつく力を強める。






「なっっ……お前っっ!!!!」








「先生。」