私を寝室に連れて行こうと、先生の手が私の身体から離れていく。
まって、離さないで。
嫌。
「嫌、だ……」
「え?いお?」
「………あ。」
先生の声でハッとし、今の自分の行動に目をやる。
見ると、先生の手が離れていく事への寂しさからか、思わず先生の手を強く握ってしまっている自分がいた。
「おい、どした?何か今嫌とか言わなかったか?」
「――――――っっ」
やめて、今そんな可愛い顔を私に向けないで。
「おーい、伊緒大丈夫か?布団とこまで歩けるか?」
やめて、そんなに優しくしないで。
「…せんせっっ。」
駄目だ。もう限界。
隠しきる自信はどこかに飛んで行ってしまった。
「は?どうしたんだ?」
「も…無理、です…。」
握っていた手を自分から離し、先生の身体に思いっきり抱きついた。