揺れる頭に追い討ちをかける様に、大悪魔は僕に向かって囁き続ける。

『なぁ、シロ。あの娘を側に置きたいとは思わないか?』

ぼんやりとしながら、僕は大悪魔と視線を合わせた。

その途端に、心の奥底にしまいこんでいた思いが蘇る。


アリスと、生きて行きたい。

長い間をかけて変わり行く世界を、一緒に見ていきたい。

『永遠』という、その言葉通りに…


あぁ、そうだ。
僕は、操られてなんかいない。

大悪魔は、ただ、僕が奥底にしまいこんだ思いを、開放しただけ。

一番強い思いを、開放しただけ。



それだけなんだ。