『おもちゃ…だと?』

僕の言葉を聞いた大悪魔は、心底驚いた様な顔を見せた。

『私は、お前をおもちゃだなんて思ったことは一度も無いぞ?』

『でも…僕はそう感じたんだ』

『私は、お前が悪魔に適していると思ったからこそ仲間にしたのだよ。心底そう思った』

大悪魔は、さっきとは違う、含み笑いでも冷たくも無い声で、僕に話しかける。

大悪魔の声が、頭の中でわんわんと鳴り響き、まるで催眠状態の様な感じだ。

大悪魔は僕に近付き、僕の頬を撫でながら、最後に耳元で囁いた。

『それに、お前は美しい。美しいものをそばに置きたいと思うのはいけないことか?』