『なぜ…ここに?』

『何故って?ここで私は、自由に動き回ってはいけないのか?』

僕が、やっとのことで絞り出したその問いに、やはり含み笑いで答える。

暗くて顔は見えない。

だが、分かる。

威圧的で、人を見下した様な、特徴のある声。

微かな月の光に、きらきらと煌めく、銀色の長髪。

『シロ、良い名前を貰ったな?』



僕の部屋にいたのは、大悪魔だった。