「お兄ちゃんは中学に入ったと同時に
グレちゃって。夜は帰って来なかった。
だからご飯もコンビニばっかで、暗い
リビングで1人でご飯食べてたんだ。
お金はお兄ちゃんが好きなように
使ってるから、家の電気とかガスが
止まっててね。TVも見れなかった。」




朱雀さんが私の事をさっきより強く抱きしめた。




「移動教室とか修学旅行も行かせて
もらえなかったんだ。部活もできなくて。
教材費とかも、お兄ちゃんに土下座して
払ってもらうようでさ。それで、丁度
その位から、暴力を振るようになったの。」




いつからか。



お兄ちゃんは私に暴力を振るうようになった。



グレる前は、本当に優しかったお兄ちゃん。



私は夢だとしか思えなかった。