「いっ…」




傷口がズキンと傷む。




「悪いね。」




そう言って、傷口をそっとなでた。



朱雀さんの香りがした。




「階段から落ちたんじゃないでしょ。」



「えっ…」




私は答えられなかった。



いえない。



兄から暴力を受けているなんて・・・。