尚も木の周りをゆっくり歩いていると、突然少し離れた所から声をかけられた。
言葉は優しいのに
無機質で感情のこもっていないなのに、どこか寂しそうな声。
声の聞こえた方に振り返る。
そこには、質の良さそうな服を身にまとい、さらさらの金髪に透き通った翠の瞳をした綺麗な顔の男がいた。
私より少し上くらいだろうか。
それにしても、この人もどこか違和感がある。
服が、普段私が見るようなものとは違っていたのだ。
まるで、物語の中で貴族の男たちが着るような服を着ていた。ただ、堅苦しいのが嫌いなのか上着を脱いで無造作に片手でもち、シャツのボタンを2.3個外して楽に着ていた。
こんな服初めて本物見た。
ちゃんとは着てないけど…
ますます、ここは何処なんだろう…。
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