春…。


満開の桜の木の下であたしは
親友二人を待っている。


あたしは仲原陽菜。



今日から高3になります。



それにしても来るの遅くない?


もぅ、約束の時間20分
過ぎても今だに来る気配が
しない親友二人に苛立ち
始めたころに…。


「ごめーん!」


と聞き覚えのある声に
振り向いた。


やっぱり美桜《みお》だ…。


隣には薫《かおる》の姿も。