そうだ、夢だけれど、実際にあったことだ。



あれは千波くんがアメリカ留学に行く1か月前だったっけ。



「日菜?大丈夫かい?」



「ぁ……う、うん」



優しく髪を梳かれ、私は頷いた。




千波くんの中学生の頃を見ちゃってなんだか得した気分。



クスッと笑った私に千波くんが首を傾げる。



「誰かの夢でも見た?夢で浮気したとか?」



少し怒っている風で、私はじっと千波くんを見た。



なんだか、嬉しくて笑みを浮かべる。