じとじとした夏の暑さに 今日も坂道を登る。 「っちぃー……」 (学校までが しんどいんだな。 これがまた、ね。) 公園が見えたところで あることに気づく。 (あれ…水でてる…) 蛇口の水がでたまま。 (止めなきゃっ…) おもむろに走る。 なぜだろう。 きっと、学校に 行きたくなかったんだ。少し寄り道。 手を蛇口に 伸ばした瞬間、 一回り大きな手が わたしの手を覆った。